「ウド・エルゴ研究所」は人間工学にもとづいて他企業様のご依頼により共同で開発を行っております。

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楽腰帯Relief(リリーフ)

腰部へ負担のかかりやすい作業の際に、
是非おすすめします。

この腰部保護ベルトは、重量挙げの選手のベルトにヒントを得て考案された商品です。原理は「腹圧を高めることによる腰椎の減圧効果」にあります。これは「ラグビーボール説」としてよく知られる原理で、空気を入れたラグビーボールを腹腔に見たて、ベルトによって腹を締めると腹圧が上昇し、腹腔が硬い柱の役割を果たし、上半身の荷重を腰椎と腹腔で支える形となります。さらにもう一つの特徴である、骨盤位置へ装着することにより大切な骨盤を強化し、骨盤捻挫を防止します。

宇土博 博士について

開発の経緯

このベルトは、1985年頃、友和クリニックの腰痛の患者さんが重量挙げのベルトを使用するとバーベルを挙げる時の腰の負担が軽減されるとのお話しをヒントに、現場作業で使用しやすいように改良を重ねてデザインしたものです(図1. スーパーリリーフ)。
このベルトの開発を契機に、渡米して米国の腰痛ベルトの普及の状況を調査し、1994年8月には、カンサス州立大学の産業工学教室のコンズ教授のもとに客員研究員として赴任して、コンズ教授と腰痛予防ベルトの共同研究をすることになりました。

米国の腰痛予防ベルト普及の背景

米国では、さまざまな産業分野で腰痛の予防のために、腰痛予防ベルトが使用されています。タイヤの交換作業、空港での手荷物検査作業、荷物輸送作業、建設作業、スーパーの棚出し作業、図書館の司書など、日常的に腰痛予防ベルトを着用した労働者を見かけます。
米国では1985年頃から腰痛予防ベルトが普及しています。米国で腰痛予防ベルトが普及した背景には、我が国と同様に、深刻な「腰痛問題」があげられます。
‘94年11月9日付けの新聞は、保健省に召集された腰痛の専門家と消費者の研究班が、「アメリカ人の80%が、ある時点で急性腰痛を経験している」、「腰痛は、風邪に次いで医師を受診する第2番目の最もありふれた病気であり、年間20億USドルが費やされている」こと、また「急性腰痛には、長期間の臥床や手術ではなく、売薬の痛み止めと穏やかな運動が必要である」とのガイドラインを公表したと報道しています。政府も、そのコストを減らすことに躍起になっています。

また、産業現場においても、作業関連性腰部障害は、すべての産業およびサービス部門に対して重大な損失を与えています。1991年の国立安全委員会は、全米の全労災補償の31%が腰背部の障害に関連していると報告しています。そのコストは、労災補償の40%にもおよんでいます。また腰背部障害は、風邪についで第2の休業理由となっています。腰背部障害の1人当たりの費用は、7,400USドル(約74万円)におよんでいます。
たとえば、多くのスーパーマーケットでは、休業の25%から35%が腰背部障害のためであり、労災補償のコストの50%から60%がこの障害のために費やされています。そのため、腰背部障害を減少させ、関連コストを減少させることは、米国の多くの企業の関心事となっています。このような背景の中で、腰痛ベルトは、比較的低コストで有効な腰部障害対策の一つとして多くの企業が採用してきました。
Bethlehem製鉄会社では、「1986年には、怪我の30%が腰部であった。今や、10%に減少した。その理由としては、腰痛の教育、持ち上げ動作の訓練および腰痛予防ベルトが貢献したと考えられている」と報告しています。

腰痛予防ベルトの効果の原理

これまで腰痛予防ベルトの原理として、以下の四つの理論が提案されています。(1)腹圧上昇作用、(2)姿勢制御作用、(3)筋肉の活動の制限作用、および(4)保温作用です。
このうち、前2者の作用が重要であると考えられています。腹圧理論は、ラグビーボール説として古くから知られています。図に示すように腹腔をラグビーボールと見立てる理論です。ベルトの装着により腹圧が上がり、腹腔が硬いラグビーボールとして上半身の荷重を支える柱の役割をし、腰椎にかかる負担の約30%が骨盤に分散されることにより腰部の負担を軽減します。筆者らの研究では、ベルトの装着により明らかに腰部の筋活動電位の軽減が認められ、腹圧理論を支持しています。他の研究者の実験で、ベルト装着時の筋電図の結果が一定しない理由は、実験の前処理に腰痛予防ベルトに慣れるための訓練期間を設けていないためと考えられます。

■腰痛予防ベルトによる腰部筋電位軽減

楽腰帯スーパーリリーフの特徴

  • 米国のベルトが腰部ベルトであるのに対し、骨盤に装着する「骨盤ベルト」のため胃部の圧迫感がなく、女性に多い骨盤捻挫を予防する。
  • 通常の整形外科で使用するコルセットの3分の1と幅が狭い(約14cm)ことにより動きが制限されず、長期間使用しても筋力低下が起きない。
  • 素材は、メッシュ製であり、弾力性により、骨盤へのフィット性を高め、かつ圧迫感を軽減する。メッシュにより蒸し暑さを防ぐ。
  • マッジクテープ方式のため体形に合わせて調節でき、補助ベルトで作業に応じて容易に腹圧を高めることができる。
  • 遠赤外線セラミックを練り込んだナイロン素材により遠赤外線効果を持つ。また、制菌・防臭効果のある線維を使用している。
  • 厚みが薄く、事務系作業や看護・介護などで上着の下に付けるインナータイプとしても使用できる。
  • 男女兼用の4サイズ(S、M、L、LL)あること。

このため、「楽腰帯スーパーリリーフ」は、腰部ベルトに比べて、長時間の装着を困難にさせる胃部や肋骨部の圧迫感、暑苦しさが少ないこと。
現場で使用する場合の重要な条件となる可動制限が小さく作業性が優れていること。また、可動制限の小さいことは、体幹の筋力低下を起こさない点で大変重要です。ベルトにより筋力低下が起こるのではないかとよく懸念されますが、「楽腰帯」の6ヶ月間の装着実験によって、筋力の低下は認められず、筋力低下の心配はありません。つまり、コルセットのように完全に体幹を動かさないように固定すると筋力低下が起こりますが、「楽腰帯スーパーリリーフ」のように可動制限が小さく自由に動けるものでは、筋力低下の心配はありません。この点については、米国でも同様の実験が行われていますが、筋力低下の認められなかったことが報告されています。また、骨盤装着により、骨盤関節を保護し、捻挫を予防します。
姿勢矯正効果により、重量物のみでなく運転作業や長時間の座業による腰痛を予防できることなどが大きな特徴です。

これまで、腰痛の多発している製鉄業のロール組み替え作業者、60kgの米袋を運搬する米穀運送作業者、長時間の前屈姿勢をとるクレーン運転作業者、患者の介護を行う看護師およびゴミ袋の収集を行う清掃作業者を対象に3~12ヶ月間の装着実験を行ってきました。その結果、腰痛の改善効果が高く急性腰部捻挫の予防効果が認められました(図4〜図8)。


図4. 米穀運送での腰痛ベルトの実験

■図5. 米穀運送作業でのベルトの腰痛改善効果

非ベルト群に比してベルト群で明らかに改善者率が高い。

■図6. 米穀運搬作業での急性腰部捻挫の予防効果

非ベルト群に比してベルト群で明らかに急性腰部捻挫の発症者率が低い。


図7. クレーン作業
高所から下方を覗き見るため強い前屈座位姿勢による腰痛の多発。腰痛を緩和するリクライニング・シートの設置。

■図8. クレーン運転作業でのベルトの腰痛改善効果

非ベルト群に比してベルト群で明らかに改善者率が高い。

自動車産業や介護現場での腰痛予防ベルトの普及


介護作業でのリリーフの使用。
車椅子からベッドへの移乗作業。

自動車の組み立てラインでは、中腰などの無理な姿勢で腰痛が発生しており、大手の自動車会社では、「楽腰帯スーパーリリーフ」が普及し、腰痛予防に効果を上げています。
また、深刻な腰痛問題を抱える介護作業や看護作業でも、「楽腰帯スーパーリリーフ」が普及しています。筆者が産業医している介護施設の「さいきせせらぎ園」では、介護者全員に「楽腰帯スーパーリリーフ」を園の負担で提供し、腰痛予防に大きな効果を上げています。

このように「楽腰帯スーパーリリーフ」は、長期間にわたる多くの現場の労働者や研究者の協力によるフィールド調査の結果により生まれた腰痛予防ベルトであり、腰痛予防に有効な対策として人間工学的な作業改善と並行して活用していただければ、現在の職場の腰痛を3分の1以下に低減していくことが可能であると考えています。職場で積極的に活用されることをお薦めします。

■製品スペック

商品名 楽腰帯Relief(リリーフ)
カラー グレー・ブルー(ツートン)
サイズ S/ウエスト=56~65cm/腰回=64~72cm
M/ウエスト=65~85cm/腰回=70~88cm
L/ウエスト=85~100cm/腰回=85~102cm
LL/ウエスト=100~110cm/腰回=100~112cm
価格 未定



全製品ラインアップ

  • Dr.Grip
  • Dr.Move
  • Dr.Cut
  • Dr.Click
  • コクヨDr.Chair
  • 楽腰帯Relief(リリーフ)