私の専門分野は、産業保健です。産業保健は、働く人が職場や家庭で健康に生活できるように作業環境や生活環境を改善し、生涯現役で活躍できるように支援する学問です。そして、人間工学は、環境を変える科学・技術の体系であり、産業保健活動の柱となるものです。
1976年からスーパーのチェッカーの頚腕障害の健診に携わり、その患者さんの治療のために1979年に職業病外来・友和クリニック開設しました。そして、1991年に腱鞘炎の患者の方の要望に応えて、人間工学を応用した腱鞘炎予防のボールペンDr. Gripを開発しました。Dr. Gripは、健康を考えた世界初のボールペンで、世界的なヒットになり、筆記具のグリップの形状を変える大きなインパクトになりました。これが契機になり、2001年に人間工学製品を研究・開発するウド・エルゴ研究所を設立しました。
これまで、ウド・エルゴ研究所は、多くの企業と共同して腰痛予防ベルト・リリーフ、肩こり予防のパソコン用のアームレストDr. Click、腰痛予防の自動座面傾動椅子コクヨDr. Chair、腱鞘炎予防の園芸用鋏 Dr. Cut、寝返り促進の敷き具・Dr. Moveなどの人間工学製品を開発してきました。
人間工学は、支援機器の開発を通して、働く人の<職場と家庭>の生活革命を引き起こすArt & Scienceであり、これを駆使することにより、日本の産業を活性化し、Happyな社会を実現することができます。