■共 著
- 電話交換手の頸肩腕障害、職場における健康診断をすすめるために、頸肩腕障害ー職場におけるその対策
青山英康 編|労働基準調査会|東京|189~202|238~291|1979
- この本は、我国で最初に「職場で起こる頸肩腕障害」を取りあげたものです。日本では、1950年代から銀行業務に導入されたコンピューターによって世界に先駆けて職業性の頸肩腕障害が多発し、1960年代に入って大きな社会問題となりました。それを契機に1964年にキーパンチャーの作業管理の通達が出されました。その後、スーパーのレジ、紙巻きたばこ、組み立てラインなどの多職種に本障害が多発しました。
こうした状況を受け、1970年4月の第43回日本産業衛生学会で、産業医学の問題として腰痛、頚肩腕症候群が取り上げられ、翌年の1971年に、頚肩腕症候群委員会が組織された。これは世界に先駆けた我国の作業関連性疾患の研究組織でした。当時は、世界的に頚肩腕障害の発生は大きな問題となっておらず、「頚肩腕障害は日本固有の風土病」だという極論も出るなかで、多くの研究者が委員会に参加し、活発な研究が行われた。この委員会は1974年に頚肩腕障害研究会、さらに、現在の作業関連性運動器障害研究会に引き継がれています。私が、頚肩腕障害の研究に最初に取り組んだのが、この1974年の頚肩腕障害研究会への参画でした。
- VDT作業の精神、神経系への影響についてー自覚症状の視点から、VDT労働と健康
VDT労働研究会編|労働基準調査会|東京|119~131|1988
- 1980年代の後半から、VDT(Visual Display Terminal)の普及に伴う眼精疲労や頸肩腕障害が大きな社会問題となり、VDT労働研究会が組織され、この本が編集されました。現在、あらゆる職種でVDTが使用されており、長時間拘束座位姿勢による姿勢を保持する頸肩や腰背部の慢性のこりが大きな課題になっています。
- The effect of a pelvic belt on the incidence of low back pain for middle-aged workers, The Paths to Productive Aging
Edited by M. Kumashiro, Taylor & Francis, London: 63-69, 1995
- この本は、高齢化社会を迎え、人間工学を応用した生産的な加齢への道と題して編集されたものです。この本では、中高年の腰痛罹患にに対して宇土により開発された腰痛予防のための骨盤ベルトの効果を述べています。
- ELECTROMYOGRAPHIC STUDY OF LOW BACK LOAD ON DRIVER’S SEAT, Advances in Industrial Ergonomics and Safety VII
Edited by A.C. Bittner and P.C. Champney, Taylor & Francis, London: 1041-1047,1995
- この本は、産業人間工学と安全に関する進歩に関する学会の抄録集です。著者は、ドライバーの腰痛予防のために開発された西ドイツの人間工学的な運転シートであるレカロシートと通常の運転シートに長時間着座させ、腰部の負担の差を筋電図によって比較した研究を掲載している。この研究により、レカロシートの腰部負担の軽減効果が示された。
- Study on low back load of car driver’s seat,A. Mital,H. Krueger,S. Kumar,M. Menozzi and J.E. Fernandez (Ed.), Advances in Occupational Ergonomics and Safety, International Society for Occupational Ergonomics and Safety
Cincinati, Ohio,U.S.A.:852-857, 1996
- この本は、「国際産業人間工学と安全」学会の抄録です。人間工学的シートのレカロシートと他の標準的なシートに3ヶ月間、乗車して腰痛の症状経過を比較したものです。その結果、レカロシートは標準シートに比較して腰痛の症状が軽減することが認められました。
- Carpal tunnel syndrome, eds. by M. Mital, M. Ayoub, S. Kumar, MJ. Wang and K. Landau, Industrial and Occupational Ergonomics: User’s Encyclopedia, International Journal of Industrial Engineering
USA,1-22,1999
- この本は、国際産業人間工学誌発刊した、利用者のための産業および職業人間工学の辞典です。職場で多発している手根管症候群の人間工学的な予防対策について述べています。手根管症候は、親指から薬指までの運動神経および知覚神経を支配する正中神経が手首の位置で圧迫されて、指の運動麻痺や痺れが起きる症候群です。手首の過度な屈曲や圧力を軽減する工具等を使用することにより、防止できます。
- 保護具とその選定、使い方、産業医実践ガイド
和田 攻 編集|文光堂|東京|159-172|1998
- この本は、産業医のための実践的なガイドを示したものです。著者は、この中で、職場での保護具について述べています。特に、頸肩腕障害や腰痛などの筋骨格系障害の予防のためのパソコン用のアームレストや腰痛予防ベルトなどの保護具については、初めてまとめられたものです。
- The Role of an Industrial Medical Doctor in Planning and Implementing Ergonomic Measures in a Workplace In Proceedings of The 5th Pan-Pacific Conference on Occupational Ergonomics
Edited by Organizing Committee of the 5th PPCOE,294-297, 1998
- この本は、汎太平洋人間工学会の抄録集です。製鉄会社の圧延ロールの分解洗浄作業職場の人間工学的な腰痛対策について述べたものです。職場の小集団活動による参加型の人間工学的な対策の事例を取り上げています。
- 産業保健
吉永 文隆 編|公衆衛生学入門|南山堂|東京|235-259|1999
- この本は、著者の専門である公衆衛生学の入門書です。広島大学医学部の公衆衛生学教室の恩師の吉永先生の編著である。著者は、専門の産業保健について述べています。